申し遅れましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年もいろいろとありましたが、なんとか持ちこたえました。来年は良くなるのか悪くなるのか、よく分からないのですが、もうあんまり悪い方に行かないのを望むばかりです。
それで、以下は、いつもの徒然ばなしです。。。。目から鱗というほどではないのですが。
ある IDP の帰属を進めていると(というか、トラブっていると)、15N の分解能が悪く、ピークトップをうまく拾えていないことが足かせになっている場合が多いことに気づきました。そのため、せっかく HNCACB などのピークを自動で拾っていても、15N-HSQC のピークと結び付けられない、という問題がいっぱいあちこちで生じます。
Mars 自動帰属を使う場合には、HNCACB などの各ピークを強制的に(つまり、手動で無理やり)15N-HSQC に紐づけてしまうため、この問題は回避できます。一方、Flya の自動帰属では、ソフトウェアが内部で自動的に紐づけようとするため、15N 化学シフトがずれていると、ここが大きな問題点になります。
ピークピッキングの際、15N は z 軸にあるため、「視覚的」に確認することがあまりありません。しかし実際には、15N 軸もきちんと目で確認し、隣のプレーンのピークトップが誤って拾われていないかどうかをチェックすることが重要であると、今回初めて気づきました(これまで IDP の帰属を行ってこなかった)。Poky/Sparky では ov コマンドを用いることで、この確認が可能です(北大の久米田さんのウェブ説明書)。
さらに 20 年遅れで気づいた点として、せっかく NUS を使っているのだから、15N 軸を高分解能で取得すればよいということが挙げられます。15N は通常 constant-time(ct)で測定していますが、そのために分解能が制限されてしまいます(ふつうの fold した蛋白質では、この ct でも充分すぎるのですが)。私は個人的に semi-constant time があまり好きではなかったのですが、この場合は semi-constant time を使った方がよいだろうと感じました。IDP を日常的に扱っている人にとっては、15N を semi-constant time にするのは当然なのかもしれませんが、私は実際に帰属を進めてみて初めて実感しました。
また、FT の際もプレーン数を 256 にすればよいのですよね。zero-fill でギザギザが減れば、自動ピークピッキングも旨くいくかもしれません。これまでは杓子定規に 128 にしていましたが、現在の 10 万円以上の PC 環境であれば 256 にしても特に問題はないと思います。昔は 64 プレーンにしていたのですが、それも PC が速くなって(メモリーも 32 MB に増えて(GB ではありません))128 に増やしたのでした。
最後に HN(CA)NNH, HN(COCA)NNH の威力は絶大です。いつから測定名に N を二個重なるようになったのか?これの有無は、東京ー大阪間を新幹線で行くか、馬で走るかぐらいの差があると言い切れます?きっと我々のような経験者が帰属をすると、HNCACB などの 3D シリーズで7割程度まで経験と技術で進めてしまうため、これの威力を過少評価しがちです。しかし、ここは初心者の印象を聞くべきです。とある B4 生によると(すでに 100 残基の帰属を経験済み)、この二つがない場合、それは「太平洋を浮き輪だけで渡るようなものである」と。しかし、この二つのスペクトルがあると、それは「蒸気船を得たようなものであり」「寝てても帰属できる」と形容したそうです?
私は Poky を使っているのですが、学生たちは CCPN を使っています。NMR 解析ソフト CCPN がこの HN(CA)NNH, HN(COCA)NNH を認識し、帰属の候補を出す際にこれをデフォルトで参考にしてくれるとよいのですが。
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